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その心、あたためますか?
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最近いたるところに「無理があるだろ」と思うしかないようなおばあちゃん達のサンタがレジを打ったりしてますが、ああいうのはぜひ全国の全世界の男子の希望そして浪漫を与えるつもりで法による規制は行えないだろうかと腕を十文字に組んで考えてましたが、おじいちゃんの目線だとあれは有りなのかもしれないと思ってうちのじいちゃんをイメージしたところ、「ないじゃろ」と公共広告機構も反応できかねないスピードで言いそうだったのでやはり法による規制をお願いしたい。



そもそもサンタは男ですし。

鬚ですし。真っ赤なお鼻ですし。それはトナカイさんですし。




寒い中スーパーに入っていきなりの視界の中でおばあちゃんサンタがこうもレジ打ってるともうなんか「え?なに世紀末?うはははははお前を越前蟹にしてやろうか!」と少し白塗りが過ぎた常にギター搔き毟ってるもう1人の僕が出てきそうですが、やはり心から温めるためには温かいココアが必要なわけで、僕はいつも買っているヴァンホーテンのココアを持ってレジに並んだわけです。


しかしこのヴァンホーテンのココアを持ってね、レジに並んでいるとね、そもそもスーパーでココアを買うというのは自販機で買うより20円安いという発想で選択した僕は、今、それ以上の特別な経験をしているんじゃないかとドキドキしていることに気がついてきました。



僕の中のもう1人の僕「おい!おばあちゃんのサンタが眼前でレジ打ってるぞ!」



初めての体験だ、と僕の心拍数はジグザグを繰り返してクリスマスツリーの形を繰り返し作っている。遠くでみるのと全然違う、おばあちゃんはサンタの格好をしているのではない、そしてさせられているのではない、もうこれは、もはや、新種のサンタでしかない!

僕は歴史的な光景を目の当たりにしているのかもしれない、そして実感しているのかもしれない。新種のおばあちゃんサンタが僕のヴァンホーテンココアのバーコードを読み取っている。丸みを帯びた缶は読み取りづらい、ならない、鳴らないピッて音が鳴らない!読み取らない!僕は缶を責めた、「なんでお前は丸いんだ」と。おばあサンは角度を変えて何度も試みる。がんばれ!がんばれ!おばあサン!



ピッ



歓喜の瞬間である。僕の中のもう1人の白塗りの僕を先頭に、後ろにはおたまじゃくしのような格好をした数千から数億の部下たちがいろんな意味でスタンディングオベーションしながら涙している。おばあサン、よくやった。丸みを帯びた形のバーコードをよく読みとった。もはやこれは熟練の技なのか、その場での瞬時の状況判断で訪れたピンチを乗り越えた。



僕は読み取ったヴァンホーテンをおばあサンから受け取りながら、100円を渡した。その時触れたおばあサンの手のひらはヴァンホーテンを握っていたこともあってか温かかった。いや、きっとあれはおばあサンの心からにじみ出た温かさ、おばあサン自身の温かさなんだろう。




ありがとう、おばあサン。

きっとこのおばあサンは、僕にこう言うためだけに現れたのかもしれない。

「メリークリスマス。」




その言葉が手の中のヴァンホーテンよりも心を温めてくれる。

おばあサン、ありがとう。




帽子、後ろ前だよ。



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by orange-answer | 2010-12-17 02:06 | complete


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