用を足し中、まだアイツが遠くのほうを牛歩戦術してくるのでボーっと横に目をやるとビクっと僕の括約筋が反応した。
「氷…?」
もし本当に流れてきたらどうしよう。クッと押したらカランカランいいながら氷流れてきたらどうしよう。いや氷水どころか氷だったらどうしよう。クッとやってガランコガランコいいながら落ちてきたらどうしよう。
そうこう考えているうちに牛歩戦術は終盤を迎えたようで、牛の頭さながらに出て水に飛び込むアイツ。
いっそのことこのまま遠くへ逃げ去ってしまおうかとも思った、が、いやしかしこれはこれでえらいこっちゃである。なぜなら今日の僕のアイツはいつにもまして調子がいい。
恐る恐る…
クッとボタンを押した。
ザーザーザー
そりゃそうだ。と僕は思いながら、流れていくアイツを最後まで見送った。
己の身を持ってこの案件は無事解決した。
みなさん、このトイレ、水流れますよ。